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下茂 道人*; 丹羽 正和; 宮川 和也; 天野 健治; 戸野倉 賢一*; 徳永 朋祥*
深田地質研究所年報, (22), p.119 - 137, 2021/00
深田地質研究所と東京大学,原子力機構は、共同研究として、地下深部で生成したガス(地下ガス)が断層を通じて地表へ放出されることに着目し、キャビティーリングダウン分光法を用いた可搬型分析装置による大気環境中のメタンや二酸化炭素濃度の時空間変化を迅速に捉えることで、断層の地表分布の調査手法の開発に取り組んでいる。幌延町が位置する天北盆地周辺は、褶曲構造が発達しており、褶曲軸とほぼ平行に大曲断層が同町を南北に縦断している。大曲断層周辺では、地表に油・ガス徴が確認されており、地下から油・ガスが地表に到達する移行経路が存在している可能性が考えられる。本稿では、徒歩測定による大気中メタン濃度測定結果を報告するとともに、ガス滲出箇所の分布や地質構造から想定される大曲断層周辺の地下流体の移行経路について述べる。